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ワンコインセミナー「医療・福祉分野で用いる音楽の活用法」

9月30日、10月1日の2日にわたり名古屋駅ウィンク愛知を会場にワンコインセミナーを開催いたしました。初日は音楽療法士であり作業療法士でもある山崎郁子先生から音楽療法で活用する楽器と演奏の基礎的な音楽の知識のお話しを中心に。2日目には実践を踏まえ、トーンチャイムや打楽器、ギター、オートハープで 「もみじ」「赤とんぼ」「東京音頭」「マンボ」をみんなで演奏しました。明日の活動に役立つ音楽の楽しさを共有しました。参加者は、音楽療法の実践をされている方から障碍当事者までさまざまでした。

医療・福祉の臨床の現場で音楽を活用するには、音楽が好きであることがサービスを提供する側もされる側も重要であること。音楽のもつ力は人間の本質を揺さぶります。音楽のある環境の中での対象の人たちの変化に気が付くこと、観察する力を鍛えましょう。音楽の治療効用を知る生理学的な変化の研究も科学としては重要です。が音楽のメロディー・リズムを共有する場で惹き起こされる現象にもっと注力すべきでしょう。と山崎先生からの若いセラピストへのメッセージが伝わってくるセミナーでした。

生活と障害 なりたい自分をめざして

今、発達系の講義を担当しています。乳幼児から青年期までの発達課題が講義の中心テーマです。周産期・乳幼児期・幼児期・児童期・青年期までの成長の過程を学生に話しながら「人間はどこからきてどこに向かうのだ」と久しぶりに哲学的な問題を考える機会に恵まれています。特に青年期は、自我の同一性=アイデンティティーまたは「なりたい自分」を模索するという発達課題が興味深いテーマです。筍は節を作りながら成長してゆきます。発達課題というものもこの節目になぞらえることができるように思います。だれもが多かれ少なかれ超えてゆくもの。それぞれのペースでそれぞれの方法で自分で乗り越えてゆくしかないものです。節目を超える努力は自分でしかできないことを青年は肝に銘じて取り組み、周囲はそれを我慢強く見守る。それがまっすぐ成長する環境ではないでしょうか。早春の筍狩りにて。今年の筍はとても柔らかくかぐわしい香がしました。 硬い皮をむくと中にこれから成長に向かういくつもの節目が準備されていました。飛躍しますが「なりたい自分」になるために節目はすでに準備されているのではないかとそんな気がした瞬間でした。

6月のワンコインセミナーは 障害受容と社会参加がテーマです。作業療法士でありまた「重症筋無力症」の当事者でもある押富さんのお話しを伺う予定です。彼女が「なりたい自分」をどう見つけてきたか 知りたいところです。