「連載コラム」カテゴリーアーカイブ

連載 シニアの水彩画 上達と楽しみ ②     ー画材 水彩絵具を知ろうー

 透明水彩絵具の特徴は、下地の色が残り上に塗った絵の具と混色することである。例えば、黄色をぬった後、黄色の絵の具が乾いたのちに青を塗ると重なった部分は緑色となる。色を重ねるほど暗くなると言ってもよい。絵具の3原則(赤・青・黄)を画用紙の上やパレット上でかけ合わせ色を作り出す。画用紙上の絵の具が乾いた上に色を加えると下地の色が加えた色を通して見える(混色)のが透明水彩絵の具の特徴でもある。

原色の赤・青・黄色の3原色からの組み合わせを、重ねるたびに変化を楽しむことができる。色を作り出すのはパレット上でも、画用紙上でも可能である。なにより簡単に水に絵の具を溶かすのみで色の濃淡もあらわすことができる。もちろん 12色セットの色の組み合わせを選択しても良い。油絵具の様に溶剤の匂いもなく、扱いやすく、途中いつでも中止できる。

さらに特徴的なのは画用紙上の絵の具が濡れているうちに色を付けくわえることで様々な色の効果を生み出すことができることである。そのほかいろいろな楽しみ方がある。

今回は、私の水彩画の作成手順に沿って、代表的な色づくりの2方法として、グラデーションと重ね塗りを紹介しよう。

作成手順
①下絵デッサンの作成

 私の場合少し濃い目の鉛筆(2B程度)で下絵を作成している。構図を考えながら、印象から感動したテーマを効果的に表すように構図を考えデッサンする。
 今回は、サクランボのつややかに照明を反射している本体の一番明るい部分を、画用 紙の地色が残るように特殊なインクでマスキングしている。画用紙の地色が一番明るい色、白色となる。

さくらんぼ主題の下絵

②彩色(下地塗り)

 デッサンした下絵への彩色。初回の彩色は水をたっぷり含ませた色で先ず全体を塗る。

今回はサクランボの様々な色合いと主にグラデーションと重ね塗りの二つの技法を用いて彩色した。

 グラデーションを付ける方法は私の場合は、サクランボの彩色部分を水で濡らし一方から黄色で色を湿らせ、完全に乾かないうちにもう一方から赤と橙の混色で色を置き黄色とサクランボの赤へと変わる色の変化をあらわした。グラデーションの方法はいろいろある。自分で一番良い方法を選ぶと良い。ワイングラスに彩色し全体の下地塗りが完成。

③彩色(色仕上げ)

 重ね塗りとして。黄色地に赤、赤色地に赤と橙を加えサクランボの色に変化をもたらしてみた。ワイングラスの反射部分の平筆で色抜きをし、影を入れる。

④マスキングを取り、サインを入れ、額装し完成。

連載 シニアの水彩画 上達と楽しみ①

 初回の連載コラムは、高田政夫氏による「シニアの水彩画 上達と楽しみ」です。絵画活動は、自己表現手段のひとつとして作業療法士の守備範囲でもあります。高田氏も絵画、美術を愛されてこられました。ご自身の活動を通してその魅力を伝えていただこうと思います。(編集部)

連載コラム

  私のフィールド、私の夢

水彩画を初めて四年目を迎える。現在、尾張旭市の森林公園内でスケッチをする『火曜会』、地元東郷町いこまい館での『土曜会』にて修行中である。修行と言っても、参加メンバーとおしゃべり交流を楽しみながらの作品作りである。ここでお互いに指導し、指導されながら、主宰者のアドバイスを受け、作品作りを重ねている。ほぼ2時間で仕上げまでもっていくのは大変である。しかし、この場所があり参加メンバーとのやり取りがあるのが楽しみである。当分、これらのグループへ参加させていただき、小作品を制作してゆく。その日のモチーフを2時間で描き上げるのが今の課題である。そのうち、100号の大作を手掛け中央へ出品するのが夢である。

 今回のグループ展に出品した私の作品から紹介しよう。先ずこちらの作品、左は土曜会グループ活動2時間で仕上げたものである。右は金柑の実を際立たせるために後から葉の緑を濃くし、芙蓉の実の殻の内側に輪郭を強調してグループ展出品用に仕上げたものである。

水彩画の作品は薄い木枠の無い画用紙上に絵が描かれているせいだろうか、確かな理由は知らないが、油と異なり、額縁仕上げには額縁マットが必要となる。額に入れたものはこんな具合になり少しは展示できる様相になる。

      
連載執筆にあたって
 今回は、『シニアの水彩画 上達と楽しみ』として水彩画を紹介する機会をいただきました。体験を踏まえ水彩画を身近に感じられるよう書くつもりです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

(土曜会のブログホームページ)   https://ameblo.jp/tatesinarizo-to/

次回 画材 水彩絵の具