寄稿 河合妃美子
きっかけは、体力つけなくちゃ!
私は脊髄炎など、いくつかの難病を抱えながら生活しています。痛みやしびれ、強い疲労感がある日は外出することも難しく、自宅にこもりがちになることも少なくありませんでした。
そんな私が半年ほど前から地域のラジオ体操に参加するようになりました。最初は体力づくりが目的でしたが、実際に続けてみると、それ以上に大きなものを得ていることに気づきました。
継続は、力なり
参加し始めた頃は、翌日に身体の痛みが強くなり、「やはり自分には無理かもしれない」と思ったこともありました。しかし公園に集まる皆さんの様子を見ていると、それぞれが自分の身体と相談しながら体操をしていました。無理をせず、自分に合った方法で参加していたのです。
その姿を見て、私も「できる範囲で参加すればよい」と考えられるようになりました。全部できなくてもよい。公園へ行き、その日の体調に合わせて身体を動かす。それだけでも十分意味があるのだと感じるようになったのです。
生活を整える
私にとってラジオ体操は、単なる運動ではなく、生活を整える大切な作業になりました。
毎朝決まった時間に起き、身支度をして外へ出る。公園へ向かう途中では、季節の花や鳥の声に気づき、足取りも軽くなってきます。体操仲間と挨拶を交わし、地域の事や身近な出来事についておしゃべりをします。そんな何気ない時間が、生活のリズムをつくり、心を元気にしてくれています。
以前は家族の他に誰にも会わない日もありました。しかし今では、公園へ行けば誰かに会い、言葉を交わします。誰かが自分を気にかけてくれること、自分も誰かを気にかけることの温かさを実感しています。人とのつながりができたことで、地域の行事や、季節の変化に目を向けたりする心の余裕も生まれました。
地域の中で暮らしている自分を発見
身体機能の改善はもちろん嬉しい変化です。しかし私にとってラジオ体操の一番の効果は、人とのつながりを取り戻し、地域の中で自分らしく暮らしていると感じられるようになったことかもしれません。
病気や障害があると、「できなくなったこと」に目が向きがちです。しかし、自分でできる範囲で外出する、誰かと挨拶を交わす、少し身体を動かすなど、そんな小さな積み重ねが生活を豊かにしてくれることがあります。
ラジオ体操は、私にとって健康のバロメーターであり、地域との大切な接点です。そして今日もまた、公園へ向かう足が私を新しい一日へと導いてくれています。
