シニア作業療法士が患者になった1週間 (1/3)

-股関節手術と入院体験から見えたものー

第1回:説明のわかりやすさが安心をつくる   (入院〜術後リハ開始まで)

 長年、左の股関節の痛みを抱えていました。72歳、いよいよ手術で人工骨頭に入れ替えることにしました。

入院したのは季節の変わり目の頃。入院翌日に手術を受け、その日からリハビリが始まりました。入院期間は1週間ほどでした。普段はリハビリの提供側にいる私ですが、患者として過ごした時間は、情報の受け取り方も、身体の感じ方も、想像以上に濃いものでした。

まず強く残ったのは、「説明のわかりやすさ」が不安を大きく左右するということです。

1)患者が欲しいのは“次の見通し”

患者として助かったのは、専門用語の多寡よりも「これから何が起きるか」がつかめることでした。

  • 今から何をするのか
  • 終わったら次は何か
  • どのくらいの時間がかかりそうか

この“見通し”があるだけで、気持ちが落ち着きます。

用語メモ:急性期(手術直後など状態変化が大きい時期を集中的にみる期間)

2)手際がよいほど、質問が出しにくい

入院初日は、説明、準備、確認が次々に進みます。手際の良さは安心材料ですが、流れが速いほど、患者は「今、聞いていいのだろうか」と遠慮し、結果的に質問のタイミングを失いやすいとも感じました。

「ここまでで不明点はありますか」と一言いれてくれること。 「大事な点は3つです」と整理してくれること。 それだけで、“置いていかれない感覚”が生まれます。

3)術後すぐに始まるリハビリ

手術当日からリハビリが始まったことは、わかっていても驚きでもありました。痛い。患部がどうのこうのと考えるまもないタイミングで「私は、回復するのだ」という気持ちを後押ししてもらえたと思いました。

これから入院を考えられている方へ

  • 入院初日は「次に何が起きるか」を確認すると不安が減ります
  • 質問は短く具体的に(例:「次は何をしますか」「いつ頃ですか」)

担当される職員さんへ

  • 説明は“正確さ”に加えて「見通し(次の一手)」を渡すと安心が増す
  • 手際がよい場面ほど、あえて質問の間(沈黙)をつくっていただけると入院時の戸惑っている気持ちが拾えます。

※本稿は筆者の個人的体験に基づく記録です。病院体制や術式、回復経過には個人差があります。治療・リハビリは主治医および担当スタッフの指示を優先してください。(田原)

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