「コラム」カテゴリーアーカイブ

回想法風お産劇

2022年6月18日(土)14時より瀬戸市にある老人ホームミソノピアにてお産
劇(オペラ風)を開催しました。
元となるお産劇は助産師で、性教育にも取り組んでいるナーベルプラ座
(https://navel-plaza.jimdofree.com/)代表、そして作業療法支援ネット会員で
もある鈴木和代さんによって、20年以上まえに性教育の一環として作られたも
のです。何回も幼稚園、小学校、中学校、高校や名古屋市科学館などで演じら
れ、マスコミにも注目され、助成金にも支えられ大きな社会貢献をしてきた実
績を持ちます。昨年、子ども家庭局長賞優良賞、厚生労働省健やか親子21健康
寿命を延ばそうawardを受賞しています。
作業療法士支援ネットではナーベルプラ座のお力を借り、セミナーとして日
本福祉大学と八事の興正寺で開催、今回で三回目となります。興正寺では、枇
杷島オペラ劇団に素人が参加をお願いした形ですね。主宰者である山下一郎氏
はじめ、プロの音楽家集団の熱量に刺激されて、オペラ風に挑戦してみました

 まず、シナリオの序曲として子宮のなかにいる赤ちゃんの歌「赤ちゃんのお
部屋」とフィナーレの歌「ありがとう、赤ちゃん」の歌詞を原和子が作りまし
た。曲は一宮市で、歌う校長先生として有名、退官後は児童発達支援事業トレ
トレグループ統括ディレクターの雨田陽三さんにお願いしました。開催まで日
もないなか、あっという間に曲が送られてきました。これにダンスは、同じト
レトレの介護福祉士阿部直輝、通称なおさんが振り付けて踊ってくれることに
なりました。もちろんギター演奏シンガーソングライターは雨田さん。産婦役
はナーベルプラ座の玉木麻記子さん、夫役は中根篤さんが担ってくれました。
ピアノ演奏など音楽家集団の皆様の協力は頭がさがります。小道具の多くは、
ナーベルプラ座が提供してくれました。
 今回は、老人ホームということもあり、回想法を取り入れました。澤木邦子
さんがピアノ演奏、ナレーション、赤ちゃんの声、歌やBGMなど何役もかけも
ちして、回想法と音楽療法満載になりました。結果、まじめに演出、出演した
つもりですが、抱腹絶倒と言ったところもありました。なにしろ産婦役が原、
夫やくが雨田さんなので…。お産が近づいて遊歩道に見立てた客席をまわり、
痛い背中をみなさんにさすってもらい、感謝です。
 いつも、突然の無茶振りにもかかわらず、時間と場所、小道具の提供なども
含め涙ぐましいご協力をいただきました。みなさんが主役でした。

世田谷区障害理解の促進と地域社会の実現をめざす条例案へのパブリック・コメントを提出しました。

条例の概要

http://www.otsupport.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/ec8e5efd649eb60750ba2058d4c6ae81-1.pdf

条例全文

http://www.otsupport.or.jp/wp-content/uploads/2022/06/seetagaya-zenbun.pdf

市民への公開は、今秋10月になります。

私のパブリックコメント

素案:世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例

2022.6.24

                           M.T

 概要版を読んでから全文を読みました。この素案で説明が足りない、疑問に思ったところを補うため、以下を提言します。条例なので具体的である必要はないかと思いますが大きく社会が変わろうとしている今、これまでと同じ表現では、区政の意気込みが伝わりにくいかと思いました。

第1章 総則 目的、基本理念の中で「障害」とあります。全文第2条(2)で障害を定義されていますが、障害者福祉法の対象者を指すのでしょうか。障害には、心身機能が原因によるものだけでなく社会的な制約も含まれると理解しています。地域共生社会の実現、区民の互いの多様性の尊重という文言が入るのであれば、社会的制約を受けている在留外国人の立場、医療福祉に紐づかない精神障害、学習障害の当事者、家族の立場も包含されなければなりません。条例は、これからの世田谷の社会を前提にした内容であってほしいと思います。条例でいう「障害」は、このような社会的立場を含まないのか含むのか明記すべきではないでしょうか。同じ世田谷区に住まわれている外国の方の心身、生活、環境の問題、潜在的な障害者への配慮も包含する条例とする方が「地域共生社会」のビジョンに沿うものかとかと考えます。

第2章 差別

 (意見聴取及び施策の推進) 第9条、第10条に付随して当事者参加枠の創設、増設を提案します。 障害による生活経験と意見は、個人、団体によってさまざまです。多様な意見を聞く耳を区政がもたなければならないと思います。また区政に参加する障害当事者が増えることにより障害当事者自身の社会的立場の向上だけでなく、具体的で効果的な提案を区政側が引き出す技術をもつことができると考えるからです。また(相談対応)ピアカウンセラーの養成と採用を提案します。相談技術を身につけていただくことは、社会的参加のために必要な能力かと考えるからです。地域、災害にとっても人材育成につながります。

第3章

第16条(教育機会の確保)

  ほかの条例に比較して内容が薄い感じを受けました。インクルーシブ教育は、学校教育の抜本的な見直しを迫るものと思われます。教育委員会の在り方、学校環境のバリアーフリー化、学習支援の仕組み、教員の研修カリキュラム、学習指導要綱検討などの課題をどのような方向に進めるのか条例レベルで示していただけると、インクルーシブ教育を期待している家族の指針になるのではないでしょうか。

 

 第17条 就労支援

  第17条では、障害当事者と事業者に対する支援があげられています。既存の内容に加え、「就労事例を積極的に広報すること」も条例化してはどうでしょうか。職業生活は、社会の役割を自覚することで充実、継続する力になると思うからです。区による広報は、事業者にとってもメリットは大きく、事業の活性化につながると思います。

 第4章

  意思疎通の定義では、心身機能障害による意思疎通の障害に限定されているように思われます。他言語圏の在留外国人の意思疎通の問題が、含まれていないのは残念です。情報コミュニケーションの推進は、ツールの普及を意味している印象ですが、社会的なサービスの公平な提供と制度の理解と公正な運用がその目的かと思います。定義の文章で「円滑に情報を取得、利用」とあるのは「区のサービス情報の円滑な取得と利用」とした方がよいように思います。潜在的な障害を持たれている人、家族は、一般的な社会サービスの内容理解の不足があり、取得、利用をされていないからです。