2月興正寺のお産劇 シナリオで楽しむ

お産劇「赤ちゃんが生まれるよ。命のバトン」

シナリオ(所要時間30分)         2020.2.5 

八事山興正寺版

<配役>

  • ナレーター(ナ) 
  • 産婦  
  • 夫(職業、小学校の教師): 
  • 助産師(助): 
  • 赤ちゃん(児、ダンス):
  • 赤ちゃんの声(声):
  • 音楽:ギター、歌、キーボード、バイオリン
  • 音響(心音、産声):

舞台前 音響:道(ピアノ)

<シーン① 知夏さんの家> 

(音響、バックミュージック「田園」イメージ)(朝、小鳥の声:バイオリン)  

―――舞台脇(下手)、知夏、椅子に腰掛けてお腹をなでている。

(ナ):「さて、みなさん、これから観ていただく劇は、知夏さんの家族に赤ちゃんがやってくる物語です。令和になった年に知夏さんのお腹の中に赤ちゃんがいることがわかりました。知夏さんもお腹の赤ちゃんも順調に過ごすことができています」

<シーン② 赤ちゃんのお部屋>

―――序曲「赤ちゃんのお部屋」。舞台中央、音楽とダンス。児:ダンス

<シーン③ 知夏さんの家:舞台脇(下手)>

(ナ):「年も明けて、いよいよ出産間近になりました。」

――― 産婦、椅子に腰掛けてお腹をなでながら赤ちゃんに声かけ

婦:「おはよう。今朝から少しお腹が痛いわね。そろそろ生まれるのかな。

  これから助産院に行こうね。聴こえているかな~?」

――― 産婦、助産院に向かう。下手から上手まで歩く。一旦上手に消える

――― 音響:その背景に児の声

児の声: 「みなさん、こんにちは。お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんだよ。

お母さん、聴こえてるよ~。」

――― 音響:ピアノ 約15秒

児の声:「『子宮』ってよばれるところでぐんぐん大きくなって、そろそろみんなに会いに行こうかな~と思っているよ。胎盤さんもがんばってくれているよ。安心してね。」

<シーン④ 助産院>

―――舞台上手から妊婦登場。中央の助産院へ

婦:「こんにちは~。」

助:「こんにちは。知夏さんどうぞ。今はどんな感じですか。」

婦:「今は、下腹がシクシクする感じですね。でもまだ我慢できます。」

助:「赤ちゃんが元気にしているか、心臓の音を聴いてみましょうか。」

―――音響:ドプラー音

助:「はい、元気ですよ。

  知夏さんは、初めての出産なので、平均でおよそ12時間は生まれるまでにかかると言われています。まだまだ時間がかかるのでリラックスしてがんばりましょうね。」

婦:「はい。はる、一緒にがんばろうね!」

助:「はる?お名前決まったんですか?」

婦:「そうなんです。家族で一緒に考えたんです。命名するって、この字のように・・・」

――― 黒子「命名」と書いてある紙を持ち、セリフと連動させて手を添える

婦:「・・・命に名前をつけるってことですよね。

この子はもう私の子宮の中で立派に生きているから、ちゃんと名前で呼んであげたくて。」

助:「命に名前をつける。素敵ですね!」

・・・

児:「素敵な名前をプレゼントしてくれてありがとう。  お母さん、お父さんが一生懸命考えてくれたんだね。みんなに抱っこしてもらうのが楽しみだな~。」

・・・

婦:「そろそろ夫に電話してもいいでしょうか。夫も出産にはぜひ立ち会いたいと言っているので。」

助:「はい、どうぞ。」

――― 産婦、携帯電話をかける。RRR。。。RRR。。。 

婦:「もしもし、あなた~(もしくはニックネームで)?」

<シーン⑤ パパの職場、小学校→助産院へ。客席下手横>

夫:「もしもし、知夏。大丈夫か。」

婦:「うん、生まれるまでは、まだまだかかるみたいだけど、陣痛もだんだん強くなってきているし、できれば来て欲しいんだけど。  学校の仕事の方は大丈夫?」

夫:「分かった!校長先生に頼んで、すぐ行くから待ってて!!」   

―――  電話を切ってすぐに上司の校長先生のもとへ(下手横から)。客席上手に向かって次のセリフ。  

夫:「校長先生、子どもがもうすぐ生まれるんです。早退してもよろしいでしょうか?…ありがとうございます」

―――許可をもらったあと、すぐに助産院へ駆けつける。舞台から客席の後ろを回って。

――― 音響「走れ、パパ」

<シーン⑥ 助産院>

助:「ご主人は来られそうですか?」

婦:「はい、すぐ来るそうです。」

助:「良かったですね。」

―――夫、息を切らして走りながら登場。

夫:「はぁ、はぁ、(息を切らして)知夏、大丈夫か。」

助:「まぁ、ご主人、もう着いたんですか。」  

婦:「あ、あっくん。ありがとう。」

夫:「大丈夫か?」―――

婦:「うん、大丈夫。まだ時間かかるって。」

―――婦:(陣痛)ふー、ふー(と下腹に手をあてながら呼吸)

助:「ご主人、この辺りをさすってあげてください。」

夫:「はい。」(腰のマッサージ)

婦:「ありがとう。治まったわ。」

助:「知夏さん、気分転換に少し散歩しませんか。その方がきっとお産の進みも早くなりますよ。

 今日は、興正寺の縁日なので、そこに行きましょうか。皆さん、すごく優しそうな人たちだから、きっとあたたかく応援しれくれると思いますよ。私も一緒に行きますから」

婦:「はい。そうします。」

―――産婦と夫、助産師は客席の輪の中へ 

・・・ 

児:「そろそろ温かいお母さんの子宮から、みんなに会いに行くぞ。はるが『もうすぐだよ』っていうサインを送ると、陣痛が始まって、子宮がはるをギューっと強く抱きしめるようにして外の世界に送り出してくれるんだよ。このギューって子宮のお部屋全体で抱きしめれられるのって、すっごく気持ちがいいんだ。」

・・・

―――2回ほど陣痛をのりこえる       客席から応援をもらう

助:「誰か知夏さんの腰をさすってくれませんか?こうして知夏さんの呼吸にあわせてさすってあげるととても楽になるんですよ。お腹の赤ちゃんもきっと喜ぶと思います!」

―――客席を歩いて、2回ほど参加のお客さんにさすってもらう

婦:「ありがとう。助かるわ~。  (だんだんと陣痛が強くなってくる)

だいぶ陣痛が強くなってきました。」

助:「そのようですね。そろそろ戻りましょう。」

―――舞台の方へ戻りながら

助:「陣痛はね、赤ちゃんを抱きしめてはゆるんで、抱きしめてはゆるんで・・・というマッサージを繰り返しながら、お母さんの子宮から外の世界へ送り出すという大切な役割があるんですよ。」

婦:「生まれてくる赤ちゃんをギュッと抱きしめているんですね。」   「ふー、ふー。」

助:「そうなんですよ。」

「でも、さまざまな理由で、帝王切開という、お医者さんがする手術で出産する人もいます。

  陣痛を経験していなくても、こんなに(手でジェスチャーをして)小さな受精卵のときから、生まれるまでの間、ずーっと大切に大切に子宮の中で抱きしめ続けられていた、ということは同じなんですよ。赤ちゃんはみんな生まれる前から、たくさん抱きしめられて愛されて生まれてくるんですよ。」

・・・

児:「みんなに会うために、はるも頑張って狭いトンネルを少しずつ進んで行くぞ~。

トンネルの中では、体を出来るだけ丸くしてゆっくり回りながら進んで行くんだよ。

誰にも教えてもらっていないのにできるんだ。生まれる天才でしょ!」

・・・

――― 婦:フーフー呼吸   

夫:腰をさする・汗を拭く・お茶を飲ませてあげる

・・・

(ナ):「こうして何時間もの間、家族みんなで陣痛を乗り切りながら、いよいよ赤ちゃんが生まれる瞬間が近づいてきました。」

助:「一度診察してみましょうか。」

・・・

助:「子宮の出口が全部開いて、赤ちゃんの頭がすぐそこまで近づいているので、そろそろ生まれる準備をしていきましょう。  このまま楽な姿勢で産みましょうね。

陣痛の力だけでも十分赤ちゃんが生まれてこられるので、フーフーでいきましょうね。

今、いいところまで下がってきていますよ。ここでちょっといきんでみましょうか。

 吸って~う~ん」

助:「もう頭が見えてきましたよ~。(いきまない呼吸です)はっはっはっ・・・」

一同:「はっはっはっ・・・」

―――音響:オギャー!!音

―――助産師、新生児を取り上げて母の胸へ

助:「おめでとうございま~す。」

婦:「会いたかった~!!はじめまして。」(感動の言葉)

夫:「生まれた~。よかった。」

助:「はるちゃんのお父さん、臍の緒を切りますか?」

夫:「はい。」

助:「ここを切ってください。」

―――(夫、臍の緒を切断)

婦:「あっ、何だかお腹がシクシクしてきました。」

助:「今から胎盤が出てくるんですよ。

赤ちゃんは、これからは自分で呼吸をして、自分で栄養を摂って、生きていきます。

胎盤は、役目を終えたらこうやって出てくるんですよ。」

―――(胎盤娩出)

助:「(胎盤について説明。適宜)」

―――(一同びっくりした様子でみる)

婦:「これが胎盤なんだ~

  胎盤さん、今までありがとう。  みんな、本当にありがとう。」  

夫:「生まれてきてくれてありがとう。会えるのを待っていたよ。」

婦:「元気な産声が聴けてホッとしたわ。生まれてきてくれてありがとう。」

助:「素敵なお産でしたね。本当におめでとうございます。」

―――フィナーレ。 歌とダンス「ありがとう、赤ちゃん」

(ナ):「みんながこころを1つにして、素敵な出産になりましたね。

  はるちゃんもやっとお母さんに抱っこされて安心しているのでしょうね。

こうして生まれた命が次の世代へとつながっていくのですね。

こうして生まれたかけがえのない自分のいのち、そしてかけがえのないお友達のいのち、みんな、みんな大切にしていきましょう。  これでお産劇はおしまいです。

小道具:

  1. シーツ、バスタオル2枚(シーン4)…ナーベルプラ座より
  2. 「命名」と書いてある紙 (シーン4)…ナーベルプラ座より
  3. 携帯電話(シーン4)
  4. タオル、ペットボトル、紙コップ(シーン6)…ナーベルプラ座より
  5. 新生児人形、胎盤模型(シーン6)…ナーベルプラ座より

衣装

  1. 胎児…赤シャツ、赤股引、赤ソックス、赤手袋、赤い帽子、よだれかけ
  2. 妊婦…服…ナーベルプラ座より

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